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2021年度 容器包装の3Rに関する意識調査を実施しました

容器包装の3Rに関する消費者意識・行動を調査・分析するため、2009年、2011年、2016年の3度にわたり消費者アンケート調査(インターネット調査)を実施しています。この度2021年度の調査結果がまとまりましたのでお知らせします。

※本調査結果の無断転載・無断使用はご遠慮下さい。

調査概要

◆ 調査方法   : インターネットリサーチ
◆ 調査地域   : 全国
◆ 調査対象   : 15 歳~ 69 歳の男女(人口構成比に準じて割付)
◆ 有効回答数  : 3,000 サンプル
◆ 調査実施期間 :2021年 8月23日(月)〜8月25日(水)
◆ 調査企画   : 3R 推進団体連絡会
◆ 調査運営   : 株式会社クロス・マーケティング

1 経年変化

■ダウンロード:経年比較(PDF)

(概要)

以下の項目について、過去4回の意識調査結果を比較しています。例えば”3R”という言葉に関する認知状況は5年前の2016年度調査とあまり変らず、10年前の2011年度調査よりも低い傾向を示しています。(例1)

  • 環境問題全般への意識
  • 居住自治体での分別排出についての関心度
  • 分別排出認知者の分別排出実行状況
  • 資源物の「集団回収」参加状況および「店頭回収」利用状況
  • 容器包装の分別排出の改善意識
  • 環境に関わる法律の認知
  • リユースびんの認知状況、利用状況

また、2020年7月にレジ袋が有料化されたことから、「普段の買い物で気をつけていること」として「マイバッグを持ち歩いている」が5年前の調査と比較して10ポイント増えるなどの変化が見られます。(例2)

2 2021年度の主な調査結果

■ダウンロード:2021年度調査結果(PDF)

(概要)

以下の項目について、様々な角度から消費者の意識・行動の現状を把握しています。

  • 環境問題に関する意識・関連する言葉の認知状況
  • 居住する自治体での分別排出について
  • 普段の買い物や消費生活について
  • リユースびんの認知・利用状況
  • 環境に関わる法律の認知状況

また、2020年に入ってからの新型コロナウイルス感染症拡大の影響についても調査しました。例えば、感染症拡大後の暮らしにおけるごみや資源の量の変化を尋ねたところ、いずれの品目においても、「増えた」が「減った」を上回っており、ペットボトルでは「増えた」が「減った」を16ポイント上回りました。(例3)

なお、各質問項目は、年齢・性別、日常のごみ出しへの関与状況、環境への意識(※)、ごみ有料化の有無によるクロス集計も実施しています。

※「環境問題への意識」に関する問への回答より、回答者を「ボランティア・NPO参加層」「環境問題実行層」「環境問題意識層」「環境問題意識なし層」に分類

3 その他のダウンロード

質問項目(PDF)

調査報告書全体(PDF)

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容器包装3R 制度研究会報告書を関係省庁に提出

2013年9 月 9 日、3R推進団体連絡会は、容器包装のより良い3R推進への課題と方向を示した研究報告書を環境省、経産省、農林水産省に提出しました。

この報告書は、当連絡会が市民、自治体、学識者、事業者など各ステークホルダーに呼びかけ、自主的に開催した「容器包装3R制度研究会(座長:神戸大学・石川雅紀教授)」で、2010年 8月から 2013年 7月までの3年間検討してきた容器包装3R制度に関する課題と方向を示したものです。

報告書の主たるテーマは、①責任分担そもそも論(消費者、行政、事業者が担うべき責任や役割とは何か)、②プラ容器包装の再商品化手法(プラ容器包装のリサイクル手法の向かうべき方向性)、③容器包装リサイクル制度におけるEPR(拡大生産者責任=事業者への費用負担を増大させるだけで社会的コストの最小化や環境配慮設計が進むのか)の3点です。

当研究会は、各分野のステークホルダーが毎回 15 名程度参加し、5回の本会議と小研究会に加えて、3回の公開ヒアリングを実施しました。

本会議では、立場や考え方が異なるステークホルダーが一堂に会して、本音で議論し、合意できる点、合意ができない点などを明確にしました。議論は、ステークホルダー会議の手法を取り入れて行ったものです。

今月から容器包装リサイクル法の再度の見直し審議が始まるこの時期に、法見直しへの基本的課題と方向を示唆したこの報告書が、今後の見直し審議のお役に立てれば幸甚です。

なお、報告書は、下記よりダウンロードできます。

■報告書■
容器包装3R 制度研究会報告書 (約2.25MB)

(参考)「容器包装3R制度研究会」報告書の概要

1 研究会の目的

容器包装リサイクル制度は、既に社会に定着しているものの、一方では役割分担や費用負担の在り方をめぐる疑義の声もあり、制度の運用においての課題も残されている。こうした状況を前提として、3R推進団体連絡会では、それぞれ立場や考え方が異なる消費者・自治体・学識者・事業者等の各ステークホルダーと共に、「容器包装3R制度研究会」を立ち上げ、次期見直し審議に向けて、現行制度の課題や主要な論点について検討することを目的とした。
なお、本研究会では、現行制度の枠組みを超えて、将来的に容器包装の3R推進のあるべき姿を検討することとし、ステークホルダー会議の手法を取り入れた。

2 活動の経緯

当研究会には、消費者、自治体、学識者、事業者など、それぞれのステークホルダーから、各回15名前後が参加し、神戸大学の石川雅紀教授を座長に、議論すべきテーマの選定から始まり、2010 年 8 月~2011 年9月までの計5回開催した。
また、研究会の取り纏めに対する公開ヒアリングを、3回実施し、その結果を踏まえて今回の報告書として取り纏めた。

  • 第1回研究会 2010年 8月 テーマ:参加者による相互理解と情報共有及びテーマの抽出
  • 第2回研究会 2010年11月 テーマ:責任分担そもそも論
  • 第3回研究会 2011年 3月 テーマ:プラの再商品化手法
  • 第4回研究会 2011年 6月 テーマ:プラの再商品化手法
  • 第5回研究会 2011年 9月 テーマ:容器包装リサイクル制度におけるEPR
  • 公開ヒアリング 2012年 7月 東京 :研究会の成果に対する意見聴取
  • 公開ヒアリング 2012年 8月 京都 :同上
  • 公開ヒアリング 2012年11月 仙台 :同上
  • 小研究会 2013年 1月 テーマ:情報共有の在り方について
  • 第6回研究会 2013年 7月 テーマ:研究会総括
3 テーマ設定と議論のまとめ(要点)

第1回研究会では、ワークショップ形式でグループに分かれて、重要と考えられる課題・論点の洗い出しを行った。その後参加者全体で、課題・論点の絞り込みを行い、三つのテーマを設定した。

(1)責任分担そもそも論 : そもそも消費者・行政・事業者が担うべき責任と役割とは何か?
それぞれの責任と望ましい役割分担並びに役割分担を評価するための視点等の整理を行った。

(2)プラスチックの再商品化手法 : 現行のリサイク手法の方策は合理的か?
現状の材料リサイクル優先は妥当か、①環境負荷の低減、②資源の有効利用、③再商品化に要するコスト、④消費者から見た分かりやすさ、という4点の評価基準を踏まえて整理を行った。

(3)容器包装リサイクル制度におけるEPR(拡大生産者責任)
:事業者の費用負担を増大させるだけで社会的コストの最小化や環境配慮設計につながるか?
社会的コストの最小化につながる容器包装の3Rを推進するために、制度上、EPR政策をどのように応用することが有効か検討を行ったものの、合意に至る整理はできなかった。

4 公開ヒアリングで出された意見(一部抜粋)

(1)望ましい責任と役割分担の在り方(責任分担そもそも論)

  • 基本的に、現在の仕組みと役割分担を変更すべきという意見はなかった。但し多様なリサイクルの推進や分別収集の効率化をもっと進めるべきとの意見もあった。
  • 消費者・自治体・事業者がそれぞれ適切な行動をとるためには、適切な情報が提供されることが重要であり、情報提供や伝達のあり方について工夫検討すべきとの意見が多かった。

(2)プラスチックの再商品化手法

  • 現行制度での材料リサイクル優先について、反対の意見が多かった。
  • 材料リサイクル事業者からは、技術的な工夫やさまざまな取り組みを行っている旨の意見があった。

(3)容器包装リサイクル制度におけるEPR(拡大生産者責任)

  • EPR拡大は、容器包装の3R推進に効果があるという意見と効果は限定的であるという双方の意見があった。EPRを「事業者への費用転嫁」と捉える意見と、「環境配慮設計推進」と捉える意見があった。